図書館見学の記録

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2019年8月 国立国会図書館本館  トップ

今年も非常勤講師の大塚奈奈絵先生が,履修者を対象として,国立国会図書館への見学を企画してくださいました。参加者の山下さんと宮田さんが書いてくれた感想文を掲載します。

文学部日本文学文化学科4年 山下ゆきえさん

 私は今日まで国立国会図書館を利用したことがありませんでした。というのも私の中で国立国会図書館は、借覧のために利用する通常の図書館と違い、出版物の収集を主目的とした国家機関的なイメージが強かったからです。しかし実際に館内を見学して、本当にたくさんの人が国立国会図書館を利用していることを知り驚きました。また国立国会図書館独自の閲覧や複写の方法も興味深かったです。パソコン上で閲覧したい図書を申請し、カウンターで受け取るというシステムは、膨大な数の図書を扱う国立国会図書館ならではの合理的なシステムだと思います。私は目当ての資料を探す際、検索システムを利用すると共にブラウジングをするのが好きなので少し残念にも感じましたが、約四千万冊以上の蔵書の中から偶然を頼りに本を探していたら、いくら時間があっても足りないし、そもそも国立国会図書館の利用者は、調査研究等の明確な目的をもって訪れている方々が多いと思うので、そういった利用者層からしても理にかなったシステムになっていると思いました。
 カウンターの内側では、ベルトコンベヤーに乗って本が運ばれてくる様子を間近で見ることができておもしろかったです。図書館職員の作業を見せていただく中で、私が思っていたよりも人の手で行う部分が多いということを知り驚きました。特に広大な書庫から申請された図書を探してくる作業などは、もっと機械化しても良いのではないかと不思議に思いました。しかし書庫内で保存状態の悪い本や、厳重に保護されている本などを見せていただき、このような貴重書を数多く扱う国立国会図書館だからこそ、繊細な作業が要求される部分は人の手で行なっているのかなと思いました。やはり国の遺産として資料を保存管理することと、利用者に資料を提供することとを両立させるのは大変なことなのだなと感じました。そのためにもデジタル化などの技術が重要になってくるのだと改めて理解することができました。
 書庫では地方紙やフリーペーパーなど普段あまり目にしない出版物から、「少年ジャンプ」や「花とゆめ」など知っている漫画雑誌の見たことのない巻号まで、ありとあらゆる書籍が並んでいて、ずっと見ていられると思うくらい楽しかったです。また各出版物や古い書籍からどのような事柄を読み取ることができ、調査研究にどう役立てられるかを具体的に解説していただき、資料を保存していくことの大切さと、国立国会図書館の役割の重要性を実感することができました。  今回の見学会では本当に貴重な経験をさせていただき、参加してよかったと思います。今まで国立国会図書館に抱いていたイメージが少し変わり、これからはもっと利用してみようと思いました。案内してくださった職員の方や大塚先生の説明もとても詳しくて、わかりやすかったです。これからもぜひこの見学会を続けていただきたいと思いました。

文学部日本文学文化学科3年 宮田由花里さん

 今回、国立国会図書館の見学に行ってみて、表からだけでは分からない仕組みや作業について学ぶことができました。私は以前から国会図書館を利用しており、カウンターに閲覧を希望した資料が届けられることは知っていましたが、書庫内はどんな様子なのか、膨大な量の資料はどのように保管されているのかなど、気になる点がいくつかありました。先生から見学の案内を受けて、実際に目で見て確かめることのできる良い機会だと思い、参加しました。
 見学当日は、最初に国立国会図書館の紹介ビデオを見てから館内を回り、後半は各種資料の書庫を見学するという流れでしたが、様々な発見がありました。まず、国会図書館が提供しているサービスや辺縁機関との連携についてです。分館として関西館や子ども図書館があることやデータベースがあることは知っていましたが、テーマを絞ったアーカイブやデータベースが存在する事、国会への資料提供を行っていること、国会議事堂内に分館がある事などは初めて知りました。次に、資料保存のための様々な取り組みについてです。閲覧の申し込みがあった資料は閲覧できる・できないという二択のみだと思っていましたが、職員の監視下であれば閲覧できる資料が存在すると知り驚きました。版本の状態が悪ければ必ず複写するというわけではなく、著作権法に則って必要な場合のみ複写を行うというのも少し意外でした。さらに、書庫内に立ち入る際にはパスを使って書庫内にいる人を把握できるようにしていたり、万が一火災が発生した場合も資料を傷めることなく消火できる方法をとっていたりと、資料保存に関して細心の注意を払っていることがよくわかりました。
 最後に、職員の方のお話を伺った中で印象的だったのは「震災が起こったときは、必要とする機関に資料の提供をするため復旧を急いだ」という話でした。図書館内も震災により被害を受けている中、過去の事例や災害関連の資料を提供するという図書館の業務を全うしようとしていた、その信念は素晴らしいものであると思いました。 資料を保存し必要な人に提供するという一見単純に見える作業は、このような職員の方の努力によって支えられた結果であるということを実感しました。今回見学で学んだことを今後に活かしていきたいと思います。

 

2018年8月 国立国会図書館本館  トップ

昨年に続き,今年も非常勤講師の大塚奈奈絵先生が,履修者を対象として,国立国会図書館への見学を企画してくださいました。参加者の若生さんの書いてくれた感想文を掲載します。


文学部哲学科2年 若生彩音さん

 この日は雨でしたが、私は初めて国会国立図書館に行きました。少し早く到着したので、一般の入り口を見に行きました。私が想像していた図書館とかなり違っていました。時間少し前に集合場所に行くとすでに何人かが座って待っていました。近くに図書館の模型があり、待っている間大塚先生がお話をしてくださいました。
 全員がきちんとそろって、まずは部屋に案内されてビデオを見ました。国立国会図書館がどのような役割を持っているかの説明などを聞きました。職員の仕事も普通の図書館とかなり異なっていました。種類も豊富でした。私が驚いたのは、国内で出版された本は基本的に捨てないで永久保存するということです。また、一日に届く資料の数にも驚きました。想像できないような大量の本を毎日丁寧に保存しているのを聞いて、本好きだけじゃ務まらないほど大変だなと思いました。
 ビデオを見た後は透明の決められた大きさの袋に貴重品をいれていよいよ館内へ。まさか決められた袋に持ち物を入れないと館内に入れないとは思っていませんでした。館内は思っていたよりもずっと広く、たくさんの人が熱心に調べ物をしたり、資料を読んだりしていました。本は本棚から自分で取るのではなく、注文式なのだと初めて知りました。大塚先生が仕組みを知っていないと使いこなせないと言っていたのはこのことか、と思いました。次は専門の部屋を見て回りました。地図の部屋や楽譜などが置いてある部屋もありました。私はピアノをよく弾くので、今度来館したらじっくり見てみたいなと思いました。次はコピーコーナーに行きました。ここも、自分ではなく職員の人がコピーしてくれることを知りました。傷んでいる本を押しつぶさずに印刷できる機械があると聞いて、そんなものがあるなんてすごいなと思いました。
 そのあとは館を移動して、きれいな新館を一望した後、昔のまだカード式だったときの棚の展示を見ました。震災の時は大変だったという話を聞いて、こんなにきれいに整頓されたカードがすべて散らばっている写真をみて驚きました。今はカード式ではないので、初めて実物のカードを見ることができてとてもうれしかったです。そのあとは雑誌のカウンターに行きました。ベルトコンベアで送られてくる資料を職員の方たちが手際よく利用者に貸し出していました。
 いよいよ、雑誌コーナーわきの扉から書庫に降りていきました。書庫を地下につくることによるメリットもお聞きして、なるほどと思いました。一番下の階では中庭に出て写真を撮りました。上を見上げるとかなり地上までの距離があることが分かりました。地下で働く人の精神維持のためと聞きましたが、確かに太陽の光が差し込むのを見て安心しました。書庫の中はとてもきれいに整理されていて、日本人らしいなと思いました。書籍を電子化しても紙媒体のものでしかわからない情報があるというお話を聞いて、ただ内容を保存するだけではないのだなと思いました。
 また、漫画コーナーも見させていただきました。正直、見学に来る前は国内の出版物全てが保存してあるとは思わなかったので、ぱどまで保存してあるのはびっくりしました。業界紙も丁寧に保存されていて、ここにくればほとんどの情報が手に入るなと実感しました。漫画は創刊号からすべてとってあり、貴重な昔の漫画を見ることができました。
 全ての見学が終わった後は、大塚先生が読んで下さった東洋大学出身の職員の方のお話を聞くことができました。開館70周年記念の展示も企画しているということで、本という枠ばかりにとらわれない仕事で楽しそうだなと思いました。  私はまだ図書館司書になると完全に決めてはいませんが、今回の見学で大学で学ぶだけでは感じることのできない空気を感じることができたので本当に良かったです。こんな経験はなかなかできるものではないので、本当に大塚先生に感謝しています。また、私は初めて国立国会図書館を訪れたのですが、今回の見学でしっかり使い方を学べたので卒論を書くときなど有効的に利用しようと思います。

2017年8月 国立国会図書館本館  トップ

本学で非常勤講師として「情報サービス演習」を担当してくださっている大塚奈奈絵先生が,履修者を対象として,国立国会図書館への見学を企画してくださいました。参加者の皆さんは,普段は入ることのできない巨大な地下の書庫など,見学を堪能できた模様です。参加者の久保さんと渡辺さんが感想文を書いてくれました。


文学部史学科2年 久保綾音さん

 8月17日に国立国会図書館を見学して学んだことについて三点述べる。
 一点目に納本制度の現状についてである。日本の納本制度では、出版物を国立国会図書館へ納入することを発行者に義務付けている制度だ。この制度によってバックナンバーを得ることが難しくなる逐次刊行物を保存していくことも目的としてあげられる。国立国会図書館の閉架書庫では、大学図書館にも所蔵されているような図書に加えて漫画雑誌や新聞なども網羅的に納本されている様子を伺うことができた。また、既に廃刊になっている「an〈アルバイトニュース〉」のような雑誌も納本されている状況も見学したが、フリーペーパーが現実的には納本されている例は少なく、納本制度の規定内にあてはまっているものの実際に簡易的な出版物を保存していくことは難しいということが理解できた。
 二点目の閲覧環境について、公共図書館や学校図書館とは異なっていた。利用者は希望する資料を請求して提供していただく閉架のシステムが取られており閲覧スペースには資料が置かれていない環境であった。書架から資料を探す手間を省けたり他の利用者が資料を求めて歩き回る気配が気にならなかったりといった点でそれぞれの利用者が自分自身の利用に集中できる環境作りがされていると感じた。
 資料のデータ化について最後に述べる。日々増加し続ける資料を少しでも永く保管し続けるために書籍のデータ化が進んでいるという説明を受けた。書庫のスペースが少なくなってきている様子を実際にも見学したが、東京本館に所蔵されている資料でデータ化が完了した資料については関西館に移動してしまうため東京では原本を閲覧できなくなってしまうということだった。データ化は書庫のスペース確保だけではなく、利用による資料原本の劣化を防ぐためという目的も含まれている。
 国立国会図書館の見学をして利用者として来館したとしても理解できないような館内環境や書庫の状況を拝見できたことにより、国立国会図書館の現状を実感できた。また、傷んできている資料の存在も知ることができたため、国立国会図書館の資料が国民の文化的財産として所蔵されているという事実を利用者に対して周知していくことが必要であると感じた。

社会学部メディアコミュニケーション学科4年 渡辺珠希さん

ビデオ視聴
国立国会図書館の概要を学びました。広報用のビデオを見ながら、東京本館の施設や資料数などの説明を受けました。授業で学んだ内容の復習もでき、その後の見学も、より充実した内容になりました。今回閲覧した広報用ビデオはYouTubeでも閲覧できるということがわかりました。
公共スペース見学
公共スペースの見学時間には、国立国会図書館の中を案内してもらいました。一番印象に残っているのは、受付から書庫へ受付表を送るポストです。現在は電子化によって使われていないにも関わらず残されており、故障時や停電時でも滞りなく図書館業務が行えるようになっていました。このことは、図書館業務の重要さ、図書館業務が非常時でも途絶えてはいけないインフラなのだと感じました。 館内の展示室では、国会図書館の模型や、過去に資料の補修に使われていた道具などを見ることができました。
書庫見学
書庫見学では、普段入れない場所に入ることができ、様々な発見がありました。私が一番驚いたのは、厳重な資料の管理体制です。書庫内に入るときにはフットカバーを付けて雑菌や汚れを弾き、空調は低く設定されて、資料が傷まないようにされていました。また、照明が自動で点灯・消灯されていたのですが、電気が消えるのが早く、少しじっとしているとすぐに真っ暗になるのが印象的でした。資料保存のためには、電気がついた状態もあまりよくないのだろうかと思いました。所蔵されている全国各地の新聞や、マンガ雑誌、求人誌などを実際に閲覧しました。漫画雑誌は慎重に保護されているとはいえ、背表紙が劣化していたり、インクがにじんでいるのが見て取れました。実際資料が劣化しているのを見ると、資料の電子化による保存は早急に進めなければいけないのだと感じました。
全体を通して、まだまだ自分の勉強不足で理解しきれない部分もありましたが、実際に図書館の中を見て回ることで気づけることや、疑問点など数々の発見がありました。この経験があったことで、今後の授業もより深い理解をしていけるのではないかと思います。

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